自分の中にたくさんいる自分を、一人ひとり尊重しよう
こんにちは!果物牛乳です。
突然ですが、皆さんは誰ですか?名前以外で自分のことを表してみてください。
〇〇の母親(父親)、
〇〇の息子(娘)、
株式会社〇〇の××課の係長、
〇〇高校の何年生、
〇〇さんの友達…
こんな風に、自分を表す言葉って、名前のほかにもたくさんありますよね。
今日すれ違ったおじさんも、父親の顔、部長の顔、息子の顔、町内会長の顔、兄の顔、夫の顔、近所のおじちゃんの顔…いろんな顔を持ってるわけです。
ちょっと面白いな~と思うので、今回はその話を掘り下げてみたいと思います。
自分の中に、自分は何人いるだろう?
たとえば、恋人に甘えているときのあなたと、会社で仕事をしているときのあなたは違いますよね。
恋人といるときはどこか甘ったれた声色になるし、表情も緩みます。
一方、会社にいるときは、ある程度シャキッとします。役職者ならプライドもあるし、だらけた顔はなおさら見せられないでしょう。
私は実家に帰ると、父や母の前では方言丸出しのわがまま娘に逆戻りです。
口調とか振る舞いとか、無意識に子どもっぽくなっています。まあ、子どものころと違って親を労わっているし、反抗したりもしないのだけど。
一方、ひとりでいるときはもう少ししっとり…というか、大人っぽいです(当社比)。
おしとやかな友達の前では、なんとなくボーイフレンドみたいに振る舞います。年上の友達と飲むときは、妹分みたいな気持ちです。
接する人が変わるたびに、いろんな自分が出てくる。これは、誰もが感じていることじゃないでしょうか。
押し殺さなきゃならない自分もあるのか?
私はちょっと前に、職場でこういうことを考えました。
「会社の人たちが、私がカッパのぬいぐるみをぎゅーーってして寝てる甘えんぼだと知ったらどう思うかな?」
実家にいるときも、こう考えました。
「あーあ、こんな、猫のお腹の匂いを嗅いで爆笑してる姿、仙台のみんなには絶対見せられないな」
そう考えたら、恥ずかしくなって焦りました。もう26なんだから、子どもみたいな自分も、甘えんぼの自分も、全部なくさないといけないんじゃないかって。
しっかりしている自分をスタンダードにしなきゃならないんじゃないかって。
なんだか気持ち悪かったんです。
こんなに甘ったれで、弱いときは本当に弱くて、ぬいぐるみを抱いて眠る夜がたま~~~にある自分が、職場の人や友達の前では「え?なんでもありませんよ(キリッ)」みたいな顔をしているのが。
要は「キャラを統一しなきゃならない強迫観念」ですね。
これはその後、しばらく私を悩ませました。
私が見てるのは、その人の顔の一部でしかない
「誰もがいろんな顔を持って生きてる」ということは、なんとなくわかっていました。でも、あまり実感できなかったんです。
「あいつはああいうキャラ」って思っちゃうと、それだけがその人の顔に思えちゃうんですよね。
でもその人は、私の前では「そういうキャラ」なのであって、別の人の前でも同じ顔をしているとは限りません。
私も、父が会社でどんな顔して経理の仕事をしているか分からないし、保育士の母がどんな様子で子どもと遊んでいるか分からない。
にこにこ優しいレジの店員さんも、普段は家族のいざこざを抱えて、眉間にしわを寄せてるかもしれない。
自分にとってのその人は、その人の一部でしかないんですね。
それは自分も一緒なんじゃない?と思ってからは、「キャラを統一しなきゃならない強迫観念」はなくなりました。
その人の前では「全然変わんない」私でいいんだよ
私は少し前まで、誰かに久しぶりに会ったときに「全然変わってないね!」と言われると傷ついてました。「前より素敵になったね」とか、言ってほしかったんでしょう。
しかし、上で述べたことに気付いたら、「まあそうだよな」と受け入れられるようになりました。
だって、その人といるときは、その人の前での私しか出てこない。家族や恋人、職場の人といるときの私は出てこないんだから。
10年以上付き合いのある高校の友達の前で、今のちょっと意識高くなった自分は出せないと思います。恥ずかしいからw
多分昔みたいに、「シャカシャカチキンぶちまけてくれよ!」なんて笑うと思います。
だから皆さんも、「会社ではデキル人なのに、実家に帰るとだらけて甘ったれる…恥ずかしいなあ」なんて、思わなくて大丈夫です。
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何かの本で読んだけれど、人って色鉛筆みたいなものなんですって。
朱色もあればターコイズブルーもあって、レモン色もある。
みんな同じ色だったら面白くないのと同じように、自分もずっと同じ色だと面白くないですよね。
赤がスタンダードの人だったら、奥さんに甘えるときはほんのり甘い薄紅色になって、同僚と飲むときはオレンジっぽい元気な朱色になる…そんなんでいいんじゃないでしょうか。
ぜひ、いろんな自分を大切にしてあげてくださいね。
私も、自分の中にいるたくさんの自分に、「お、今日も元気だね」と言ってあげようと思います。
ではでは!